日本末梢神経学会
Japanese Peripheral Nerve Societyについて
末梢神経は中枢神経と末梢組織との間にあって両者を結ぶ重要な役割を担っている。末梢神経障害をきたす要因には、遺伝、中毒、代謝異常、炎症・アレルギー、外傷・圧迫などがあり、これらにより生じる症状はしびれや痛みなど多様で、それぞれに特徴がみられる。実際の臨床では、これらの要因や病態が明確に鑑別可能な場合もあるが、困難なことも少なくない。障害要因の重なりもあり、実態はより複雑である。末梢神経疾患領域は内科、神経内科、整形外科のみならず、糖尿病などの代謝領域、小児科、形成外科、リハビリテーション科や解剖学、生理学、生化学、薬理学、免疫学、分子生物学などの基礎医学、さらには産業医学、環境医学や疫学、予防医学的側面など多くの分野が関わっている。
これらの各専門分野を統合した、より学際的な研究体制の確立の重要視されるなか、その実現を図るため、研究成果の発表や自由な意見交換の場が必要となり、それに対応する目的で、末梢神経疾患領域に関心を持つ専門家の発議により、1990(平成2)年1月、祖父江逸郎名古屋大学名誉教授が代表発起人となり、24名の発起人のもと末梢神経研究会が設立された。その後、研究会として毎年学術集会を重ね、会員の増加に伴い、演題数も増え、会としての存在感が大きくなり、第11回研究会の役員会、世話人会において学会への移行が決まった。
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